交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント(後遺障害)6

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

これまで交通事故の案件を数百件以上集中的に取り扱ってきた弁護士として,交通事故の被害に遭ってしまった際に後悔しないために,皆様へぜひ知っておいていただきたいことをお話させていただきます。

前回は,「ほとんど病院に行っていないや間隔が空きすぎている場合は,後遺障害として認定される可能性は低い。」とお話ししました。

今回は,「後遺障害として認定してもらうために注意すべきこと(要件その2)」として,前回に引き続き,むちうちにおいて後遺障害が認定されないケースについてお話しします。

後遺障害が認定される可能性が極めて低いケースの2番目が,事故から症状固定までの期間が半年以下というケースです。

むちうちについては,最低でも半年以上は通院しているような重症のケースでなければ,その後もずっと残存する後遺障害とは認定されにくいのです。

ところが,相手方保険会社の担当者の中には,症状固定を早めて治療費を抑え,かつ被害者を無理やり納得させるために,「○○さんの怪我は重症だから,早めに後遺障害の申請をしましょう。後遺障害として認定されれば,その分の保険金が出るので安心ですよ。」などと言って,事故から4か月程度で医師に後遺障害診断書を書かせるといった手法をとる方がいらっしゃるようです。

実際は,上で述べたとおり,4か月程度の通院ではむちうちで後遺障害と認定される可能性はほぼありませんが,非該当として結果が帰ってきても,担当者は「自分としては絶対に認定されると思っていたが,これは自賠責の判断なので何ともできない。」などと責任を逃れることができます。

さらに,この段階で被害者の方が弁護士にご相談いただいても,医師によって症状固定日が後遺障害診断書にすでに記載されているため,これを覆すことは非常に困難となり,泣き寝入りをするしかないという状況になります。

そのため,後遺障害を申請するかしないかにかかわらず,通院時にこのようなことを事前に知っておかないと,いざ後遺障害を申請したいと思っても,申請するだけ無駄という状況になりかねません。

当法人では,ホームページ等で,事故に遭ったらとにかくすぐ弁護士へご相談いただくようお勧めしておりますが,それはこのような被害者が泣き寝入りとなってしまう悲しい事態を防ぐという意味があるのです。

もっとも,事前にこういったリスクについて知らなければ,そもそも弁護士に相談する必要性を感じない方がほとんどかと思います。 私のブログが,皆様にとって何らかの知識・情報提供となり,一人でも多くの交通事故被害者の方が理不尽な思いをしない世の中になれば幸いです。