交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント(後遺障害)5

弁護士として,これまで交通事故の案件を数百件以上集中的に取り扱ってきた経験をもとに,交通事故の被害に遭ってしまった際に後悔しないために皆様へぜひ知っておいていただきたいことをお話させていただきます。

前回は,「むちうちで後遺障害が認定されるかどうかは見極めが困難である。」とお話ししました。

今回は,「後遺障害として認定してもらうために注意すべきこと(要件その1)」として,むちうちにおいて後遺障害が認定されないケースについてお話しします。

まず,後遺障害が認定される可能性が極めて低いケースとして代表的なものが,ほとんど病院に行っていないケースです。

初診の病院があまり治療に積極的でない所だった場合,「痛み止めを出すので自宅で安静にしていてください。」とだけ言われ,医師の指示どおり特に通院することなく,何か月も痛み止めだけを飲んで安静にしていたという方もいらっしゃるようです。

そういった方が,「痛みが残っているから後遺障害として申請したい。」と考えたとしても,非該当(後遺障害として認定されない)という結果に終わる可能性が非常に高いです。

なぜなら,むちうちは他覚的所見がない場合が多い(画像や神経学的検査などで痛みの原因がはっきりと表れない)ため,どの程度通院しており,その際のどのように患者が痛みを訴えているかという事情が,後遺障害に該当するかの判断において重要となるところ,通院していなければそのような材料がほとんど出てこないからです。

また,定期的に通院はしていても,通院の間隔が一か月以上空いてしまっている場合や,事故から一か月以上後になってから通院を開始した場合は,そもそも事故と症状との因果関係がないとして,後遺障害に当たらないと判断される可能性が高いといえます。

次回も,「後遺障害として認定してもらうために注意すべきこと(要件その2)」として,引き続きむちうちにおいて後遺障害が認定されないケースについてお話しします。