交通事故で怪我をしたときに注意すべき通院時のポイント2

交通事故を集中的に取り扱う弁護士が,これまで乗ってきた多数の交通事故相談を踏まえ,交通事故の被害に遭ってしまった場合に備えて,後悔しないように知っておいていただきたいことお伝えいたします。

前回は,「医師へ話したことはのちに有利にも不利にも決定的な証拠となる。」ということ,「痛みがあるところは全て医師にしっかりと伝える。」ということをお話ししました。
今回は,「通院の頻度」についてお話しいたします。

むち打ちなどの場合は,炎症がある程度治まったら,痛み止めを飲んで家で安静にしているよりも,病院でしっかりとリハビリを行うほうが早期回復への近道となるケースが多い(もちろん,症状の程度によります)ですので,できれば週に2~3回程度,しっかりとリハビリを行っていただくのをお勧めしております。

なかには,お仕事が忙しいなど,頻繁にリハビリに通えないとおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが,痛みを我慢して無理をすると,痛みが慢性化し治らなくなってしまうこともあります。
また,賠償の観点からみると,病院へあまり行っていないとそれほど症状が重くないと見られ,治療費支払いが早期打ち切りとなったり,もし治療終了後に症状が残っていたとしても後遺障害認定に不利となったりします。
さらに,通院の間隔が1か月空いてしまうと,その後の通院について事故との因果関係がないと判断される可能性が非常に高くなります。

被害者の側からすれば,仕事等で痛みを我慢しなければならなかったのにこんな不利な扱いを受けなければならないのかと憤りを感じる点かと思いますが,裁判においても「痛みがあるならば病院へ通うはず。」と考える裁判官が多いですので,個別の事情を説明したとしてもこの点は覆らない可能性が高いと言えます。

もし,仕事で病院へ頻繁に通うのが難しい場合は,例えば受付時間が長い病院や,職場近くの病院へ転院することも一つの手段です。
転院時は,事前に通院の関係で転院したい旨主治医に告げ,診療情報提供書を作成してもらってから転院してください。
保険会社が治療費の支払いをしてくれている場合は,転院前に余裕をもってその旨を伝えておくと手続きがスムーズです。