交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント(後遺障害)7

警察庁の統計によると、2020年の交通事故死者件数は、統計の記録が残っている1948年以降最少の2839人となったそうです。

一方で、東京では前年度より22人増え、53年ぶりに全国ワースト1位となりました。

最近、休日に公共交通機関ではなく自転車を使用することも多いので、私自身も気を付けたいと思います。

前回は,「通院期間が短すぎる場合,後遺障害として認定される可能性は低い。」とお話ししました。

今回は,「後遺障害として認定してもらうために注意すべきこと(要件その2)」として,前回に引き続き,むちうちにおいて後遺障害が認定されにくいケースについてお話しします。

むちうちで後遺障害が認定される可能性が極めて低いケースの3番目が,事故形態がごく軽微というケースです。

具体的に言うと、細い道での対向車同士のミラー接触や、駐車場内での逆突といった事故の場合、それによって生じたむちうちは後遺障害として認定されないことが非常に多いです。

むちうちは他覚的所見がない(画像や神経学的検査などで痛みの原因がはっきりと表れない)場合が多いため,どの程度通院しており,その際のどのように患者が痛みを訴えているかといった事情と合わせて、どの程度の大きさの事故であったのかといった外形的事情も参考にされます。

これは、事故が大きければ大きいほど怪我の程度が大きくなることが多いため、ある程度大きな事故であれば後遺障害として一生残存するほどの症状である可能性があるという経験則に基づくものです。

その点、上に挙げたミラー接触や逆突は、一般的にごく軽微な事故に分類されるものであり、よほどのことがない限りそれらの事故によって大きな怪我をするとは考えにくいため、後遺障害として認定されない方向に働く一事情となります。

このような場合、特に事前認定(相手方保険会社に後遺障害申請をしてもらうことを言います。事前認定について詳しくは「交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント(後遺障害)3」をご参照ください。)では、ほぼ認定は見込めません。

当法人へご相談いただいた場合は、具体的な症状も含めて資料を確認させていただき、これまでの豊富な経験から後遺障害申請をした場合の見通しなどを詳しくお話させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。 次回は、後遺障害を申請する場合のタイムスケジュールなどについてお話します。