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刑事事件池袋

Q&A

盗撮はどのような犯罪になるのですか?

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2025年10月29日

1 性的要素を伴う盗撮は重く処罰されます

盗撮の多くは性的好奇心を満たす目的で行われていることから、特に重く処罰する必要が叫ばれ、かつては各地の条例で個別に処罰する旨が定められていたのが、現在では法律により処罰されることになっています。

これにより重罰化が図られるとともに、盗撮が行われた場所がどこか等の事情により処罰されるかどうか地方により微妙な差異が生じていたのが修正されました。

法律の定めでは、性的とされる部位(股間、胸部、臀部)を被写体の同意なく撮影した場合には、着衣の有無を問わず一律拘禁刑(かつての懲役)最大3年または300万円以下の罰金で処罰されることになっています。

性交渉等を行っているまさにその場面を撮影する場合には部位に関わらず罪となるので、夫婦・交際関係にあっても相手に黙って撮影するような場合には処罰されます。

条例で処罰されていた時代には懲役の上限は最大2年で、特に悪質な事案では評価しきれないことがあったほか、懲役にしない場合に選択する罰金刑の上限が50万円と低く、懲役にする場合と罰金にする場合の格差が大きすぎる問題がありましたが是正されたといえます。

ただし、一般的な感覚でいう性的要素のない盗撮はこの法律では処罰されません。

相手の顔等、法律の定める性的な部位でないところを無断で撮影しても(撮影者がそれに性的意味を見出していても)対象外ですし、性的な部位をことさらに狙わない場合も(近年はアスリートのユニフォーム姿の撮影が問題となっていますが)同様です。

2 従来の条例が適用される余地もあり

上記の法律ができた後も、性犯罪に寄せて評価できない無許可撮影を処罰する必要は残っているので、従来盗撮の処罰に用いられてきた各地の条例は残されています。

なので、法律の処罰対象である盗撮そのものでなくとも、条例の禁止対象ではある(東京都迷惑行為防止条例の場合、「公共の場所又は公共の乗物において人に対し卑わいな言動をする」行為)と評価できるような事実があるならば、法律の定める刑罰よりは軽いにせよ(東京の場合、痴漢と同じ6か月以下の拘禁刑か50万円以下の罰金)刑事処罰の対象となることはあり得ます。

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