交通事故の損害賠償について~その12

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その12」として、「個人事業主の休業損害」についてお話をさせていただきます。

個人事業主の休業損害は、非常に難しい問題が多くあります。

個人事業主は、仕事をするまたはしない、するとしてどの程度するのかなどを良くも悪くも自分自身で決められるところがあり、また、給与所得者と異なり、何日何時間働いたらいくらの報酬が出ると決められていません。

業種によっては、時期によって売上や利益にも大きな差があることもあり、経費についても経費にできる範囲や金額が大きく異なってきます。

そのため、個人事業主の休業損害については個別のケースごとに具体的な立証を求められることが少なからずあります。

請求において、基本的に考えられるのは、事故の前年と事故にあった年でどのくらい売り上げや利益に差が出ているのか、そのうち交通事故の原因が何パーセントあるのかを証明するという方法ですが、かなり難易度が高いものになります。

自賠責保険においては、その立証が難しい場合1日あたり6100円で計算をする方法が採用されています。

来年になりますが、次回は、交通事故の損害賠償における「主婦の休業損害」についてお話させていただきたいと思います。