交通事故の損害賠償について~その18

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その18」として、「後遺障害逸失利益(事業所得者)」についてお話をさせていただきます。

交通事故による後遺障害により、事業所得者(自営業者、自由業者、農林水産業者等)の今後の収入に影響が出うる場合、後遺障害逸失利益を請求する余地があります。

その際の基礎収入は、基本的には確定申告等に基づく、事故前年度の申告所得を参照することになります。

申告額と実収入が異なる場合、ごく例外的に実収入の証明を行うことによって実収入を基礎とする余地がないこともありませんが、税申告において過小の申告をして税制面で有利な立場を得ながら、実際にはそれよりも所得が多いとして後遺障害逸失利益において自己に有利な主張をすることは基本的には許されません。

事業を起こしたばかりで赤字決算であった場合や一時的な特殊事情により大きく所得が下がったような事情がある場合など、現実収入が平均賃金を下回っているものの、本来であれば平均賃金以上の収入が得られる蓋然性がある場合には、賃金センサスの平均賃金を用いて逸失利益を請求することも考えられます。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(主婦)」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら

交通事故の損害賠償について~その17

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その17」として、「後遺障害逸失利益(給与所得者)」についてお話をさせていただきます。

後遺障害による今後の仕事への影響として逸失利益を請求する場合、給与所得者であれば、特段の事情がない限り、大きく収入が変化しなかったはずであるとの推測が働くので、基本的には事故前の収入が基礎収入となります。

したがって、基礎収入について争いになることはそれほど多くないといえます。

もっとも、昇給・昇格が確実であり、それによって収入が増える蓋然性があったような場合には、その点を基礎収入に入れて計算することも場合によっては考えられます。

ですので、そのような事情がある場合には、依頼している弁護士には必ずそのような事情を共有しておくと良いでしょう。

また、例外として、事故当時おおむね30歳未満の若年労働者については、一般的に収入が少なく、勤続年数が増えるにしたがって年収も増えていく傾向があることから、平均賃金と比較して事故前の収入が低い場合には、全年齢平均を基礎収入とするのが妥当であるといえます。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(事業所得者)」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら

交通事故の損害賠償について~その16

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その16」として、「後遺障害逸失利益」についてお話をさせていただきます。

交通事故によって、重い怪我を負ってしまい、半年以上通院したものの、症状が残存してしまった場合には、後遺障害の申請を行うことができます。

後遺障害の等級認定を受けられた場合には、自賠責保険から保険金が支払われるのに加えて、相手方保険会社に対して、後遺障害逸失利益を請求することができます。

後遺障害逸失利益とは、簡単に言うと、交通事故による後遺障害によって、今後の仕事等に影響があって将来の収入が減ってしまうことに対する賠償です。

後遺障害逸失利益は、

基礎収入×後遺障害の各等級に応じた労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数

といった計算方法で計算されます。

正しい計算がされているか否かは、交通事故に詳しい弁護士等の専門家でないと判断するのが難しい項目になります。

基礎収入の出し方については、就職の有無や形態によって変わるものになりますので、次回以降各項目について深堀りしていきたいと思います。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(給与所得者)」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら