弁護士の田中浩登です。
今回は「交通事故の損害賠償について~その18」として、「後遺障害逸失利益(事業所得者)」についてお話をさせていただきます。
交通事故による後遺障害により、事業所得者(自営業者、自由業者、農林水産業者等)の今後の収入に影響が出うる場合、後遺障害逸失利益を請求する余地があります。
その際の基礎収入は、基本的には確定申告等に基づく、事故前年度の申告所得を参照することになります。
申告額と実収入が異なる場合、ごく例外的に実収入の証明を行うことによって実収入を基礎とする余地がないこともありませんが、税申告において過小の申告をして税制面で有利な立場を得ながら、実際にはそれよりも所得が多いとして後遺障害逸失利益において自己に有利な主張をすることは基本的には許されません。
事業を起こしたばかりで赤字決算であった場合や一時的な特殊事情により大きく所得が下がったような事情がある場合など、現実収入が平均賃金を下回っているものの、本来であれば平均賃金以上の収入が得られる蓋然性がある場合には、賃金センサスの平均賃金を用いて逸失利益を請求することも考えられます。
次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(主婦)」についてお話させていただきたいと思います。


