交通事故の損害賠償について~その17

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その17」として、「後遺障害逸失利益(給与所得者)」についてお話をさせていただきます。

後遺障害による今後の仕事への影響として逸失利益を請求する場合、給与所得者であれば、特段の事情がない限り、大きく収入が変化しなかったはずであるとの推測が働くので、基本的には事故前の収入が基礎収入となります。

したがって、基礎収入について争いになることはそれほど多くないといえます。

もっとも、昇給・昇格が確実であり、それによって収入が増える蓋然性があったような場合には、その点を基礎収入に入れて計算することも場合によっては考えられます。

ですので、そのような事情がある場合には、依頼している弁護士には必ずそのような事情を共有しておくと良いでしょう。

また、例外として、事故当時おおむね30歳未満の若年労働者については、一般的に収入が少なく、勤続年数が増えるにしたがって年収も増えていく傾向があることから、平均賃金と比較して事故前の収入が低い場合には、全年齢平均を基礎収入とするのが妥当であるといえます。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(事業所得者)」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら

交通事故の損害賠償について~その16

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その16」として、「後遺障害逸失利益」についてお話をさせていただきます。

交通事故によって、重い怪我を負ってしまい、半年以上通院したものの、症状が残存してしまった場合には、後遺障害の申請を行うことができます。

後遺障害の等級認定を受けられた場合には、自賠責保険から保険金が支払われるのに加えて、相手方保険会社に対して、後遺障害逸失利益を請求することができます。

後遺障害逸失利益とは、簡単に言うと、交通事故による後遺障害によって、今後の仕事等に影響があって将来の収入が減ってしまうことに対する賠償です。

後遺障害逸失利益は、

基礎収入×後遺障害の各等級に応じた労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数

といった計算方法で計算されます。

正しい計算がされているか否かは、交通事故に詳しい弁護士等の専門家でないと判断するのが難しい項目になります。

基礎収入の出し方については、就職の有無や形態によって変わるものになりますので、次回以降各項目について深堀りしていきたいと思います。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(給与所得者)」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら

交通事故の損害賠償について~その15

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その15」として、「学生・生徒等の休業損害」についてお話をさせていただきます。

休業損害は、交通事故の怪我による入通院による休業等の経済的損失に対する補償であるので、学生・生徒等が大学・学校を休んだことによる損害は休業損害としては考えることができません。

学生・生徒等について休業損害が考えられるケースとしては2つあります。

1つが、被害者本人がアルバイト等ですでに就労している場合です。

この場合には、通常の休業損害と同様に、もともとシフト等で働くことが確実であった日について、交通事故の怪我のための入通院によって休んでしまったことをもって、その日に発生するはずだった賃金相当分の休業損害の補償を求めることができます。

もう1つが、就職について内定等をとっており、就労することが確実であったにもかかわらず、交通事故の怪我による入通院によって、就職の時期を後ろ倒しにしなければならなくなったような場合です。

この場合には、本来就職できた時期が遅れたことによって、給料の発生がしなくなってしまったということができるので、休業損害を請求することができます。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益」についてお話させていただきたいと思います。

ブログ一覧はこちら