交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント11(後遺障害異議申立て)

そろそろ梅雨入りの時期ですね。

弁護士として東京地裁やその他いろいろな地域の裁判所に出向くことはよくあるのですが、資料をたくさん抱えているときに傘を差すのは大変なので、そういう日はなるべく晴れていてほしいなと思っています。

前回は、「後遺障害認定結果に書いてあることの意味」について、一例をご紹介しました。

今回は、「後遺障害の異議申立て」についてお話しします。

異議申立てとは、後遺障害の認定結果に納得がいかない場合に、再度等級認定を求める手続きのことです。

この異議申立ての手続き自体は何度もでき、それ自体には費用もかかりません。

ですが、初回の申請と同じ資料で何度も申立てを行っても、結局同じ結果となる可能性が非常に高いです。

そのため、認定結果の別紙に記載された書面の内容から、前回の申請で何が不足していたか、どのような資料を付加すればその不足を補えるかを検討し、異議申立てに臨むことが大切です。

例えば、初回に提出した後遺障害診断書に不備があったり、本来すべきである検査をしていなかったりという場合は、それらを補うことで適切な判断がなされる可能性があります。

また、申請書類に不備や抜けがなかったとしても、初回の申請を相手方保険会社に任せていた場合(事前認定)は、資料を追加したうえで異議申立てをすることで、適切な判断がなされる可能性もあります。

一方で、病院にほとんど行っていない場合や通院期間が短すぎる場合、事故が非常に軽微な場合(過去のブログ記事も参照ください。)などは、仮に異議申立てをしたところで可能性は乏しいということになりますので、あくまでご自身の判断とはなりますが、異議申立てをせず損害額の交渉に移った方が時間の無駄にならないということになります。

もっとも、異議申立てをすべきかどうかは、ご自身での判断が難しいかと思われますので、当法人へご相談いただくことをお勧めいたします。

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交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント10(後遺障害認定結果の読み方)

交通事故の案件を集中的に取り扱う、弁護士の田中です。

大変ありがたいことに、北は北海道から南は沖縄まで、毎日たくさんのご相談、ご紹介をいただき、現在は年間300件以上の交通事故の案件を取り扱っています。

そんな日々の業務で、ご相談いただく前に知っておいていただけたらもっとよい結果になったかもしれないのに、と思うことや、意外とこういったことは知られていないんだな、と思うことが非常にたくさんあります。

そこで、交通事故の被害に遭ってしまった方も、そうでない方も、交通事故で後悔しないために皆様へぜひ知っておいていただきたいことをお話させていただきます。

前回は、「後遺障害申請をしてから認定されるまでに要する時間」として、「おおよその目安として最短で1か月半、長いと半年程度」とお話ししました。

今回は、「後遺障害認定結果に書いてあることはどういう意味か」についてお話しします。

後遺障害申請を行うと、相手方自賠責保険会社から「後遺障害等級結果のご連絡」といった書面(このタイトルは保険会社により若干異なります。)がご自宅に届きます。

この書面は、1枚目に後遺障害に該当するかどうか、該当するとして等級は何かが記載され、2枚目以降の別紙にそのような判断となった理由が記載されています。

しかし、この理由の記載はテンプレートのようなものであることが多く、なぜ該当または非該当なのか、詳しい内容が記載されているわけではありません。

しかし、いくつか記載のパターンは分かれていますので、大まかですがどのような意味なのかは分かります。

例えばむちうちで後遺障害非該当となった場合に一番多いパターンが、「他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられないことに加え、その他症状経過、治療状況等も勘案した結果、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いことから、自賠責保険(共済)における後遺障害には該当しないものと判断します。」という記載です。

この記載の場合、誤解を恐れずにごく簡単に言い換えると、「自覚症状と合致する他覚所見はないから12級13号には該当せず、では14級9号に該当するかというと、通院の頻度や治療内容その他を見てもそこまで重傷ではなさそうだから、今の症状は(一生残ることが前提の)後遺障害というほどではなく、時間が経てばじき治る程度のものだと思います。」という意味になります。

非該当となった結果に納得がいかない場合は、「異議申立て」という手続きを取ることができます。 次回は、この異議申立てについてお話しします。

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交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント9(後遺障害申請の手続き)

弁護士法人心の池袋法律事務所で所長弁護士をしている、弁護士の田中です。

年間で300件以上の交通事故の案件を集中的に取り扱っている経験から、交通事故に関して皆様へぜひ知っておいていただきたいことをお話させていただきます。

前回は、「後遺障害申請のための資料収集にかかる時間」として、「診断書等の作成のため、最短でも症状固定日の翌月末までは待つ必要がある」とお話ししました。

今回は、「後遺障害申請にはどれくらい時間がかかるのか」その2として、申請してから認定されるまでにかかる時間と手続きについてお話しします。

申請書類は、まず相手が加入する自賠責の保険会社(相手方の任意保険会社とは別)へ送られ、必要書類が整っているかどうか確認されたのちに自賠責損害調査事務所へ送られます。

自賠責損害調査事務所は、全国計54か所もあり、その上には全国7か所の地区本部、そのまたさらに上には東京に本部があります。

調査事務所では、申請書類に基づいて事故発生状況、自賠責保険の対象となる事故かどうか、傷害と事故との因果関係の有無、後遺障害の該当性などの調査がなされます。

一般的なむちうちの案件の場合、調査にかかる期間はおおよそ1~3か月程度となることが多いですが、繁忙期にはそれより長く掛かる場合もあります。

また、案件によっては地区本部や本部に移送されて判断がなされることもあり、その場合はプラス1~2か月ほど掛かることが多いです。

地区本部等に移送される案件は、等級認定に難しい判断が要求されるため調査事務所では判断ができない案件とされていますが、移送されたから後遺障害等級認定は難しいといったことは決してありません。

実際に、私が担当した案件で地区本部での判断となり、結果として等級が認定されたものが何件かあります。

認定結果が出たら、調査事務所から自賠責の保険会社へ認定結果が送られ、等級が認定された場合はその等級に対応する保険金(例えば、14級なら75万円)は支払われたうえで、認定結果が書面で送付されます。

したがって、後遺障害申請から認定結果が届くまでの期間は、最短で1か月半程度、長ければ半年程度かかることになります。 次回は、後遺障害の認定結果が出たらどうすべきかについてお話しします。

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