交通事故の後遺障害について~その7

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の後遺障害について~その7」として、後遺障害の認定において重視される最後の要素のお話をさせていただきます。

ここまで、後遺障害の認定においては、交通事故の状況、病院への通院頻度と通院期間、医師の診断書の記載が重要である旨をお伝えしました。

そして、最後に重要な要素となってくるのが、車両の壊れ具合です。

特にむちうち等の外から見てわからない症状の場合には、そのくらいの衝撃が身体にあったのかをはかるために、車両の壊れ具合がわかる写真や車両の修理見積が客観的な証拠として重要視されます。

本人が大変な症状を訴えていても、事故車両がほとんど壊れておらず、修理費用も僅少で済むような場合には、事故時の衝撃は大したことがなかったものと判断される傾向があります。

逆に、車両の損傷が大きい場合には、かなり衝撃が強かったであろうと想定され、後遺障害の認定もされやすくなります。

後遺障害の被害者請求で、ご自身ないし依頼をした弁護士が後遺障害の申請を行う場合には、車両の損傷の大きさがわかる資料を添付して申請を行うことで適切な認定を受けやすくなることがあります。

次回は、後遺障害の認定結果に納得がいかない場合の手続きについてお話します。

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交通事故の後遺障害について~その6

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の後遺障害について~その6」として、後遺障害の認定において重視される要素のさらに続きのお話をさせていただきます。

前回までで、交通事故の状況及び病院への通院頻度と通院期間が大事とお話させていただきました。

重視される要素の3点目は、医師の診断書の記載です。

通院をしていた病院で、後遺障害認定の申請の際に後遺障害の診断書を書いてもらうことになります。

後遺障害の診断書は、医師が、症状固定時(治療しても症状が改善しなくなったとき)の症状が今後永続的に続くと判断して書く診断書になります。

そのため、そこに書いてある症状が後遺障害になるかの判断を受けられる症状となります。

逆に、後遺障害診断書に書かれていない症状は、基本的に後遺障害の判断がされないことになります。

また、後遺障害診断書の他にも、病院では毎月、経過診断書を作成しており、その経過診断書も後遺障害の判断に使われることになります。

事故当初より痛みが一貫している症状については後遺障害になる可能性がある一方で、途中で消失した症状や事故後2週間を超えてから発生した症状については後遺障害にはなりません。

次回は、後遺障害の認定において重視される最後の要素についてお話させていただきます。

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交通事故の後遺障害について~その5

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の後遺障害について~その5」として、後遺障害の認定において重視される要素の続きについてお話をさせていただきます。

前回は1点目として、どのような状況での交通事故かが判断要素になるとお伝えしました。

2点目は、病院への通院の頻度と通院期間です。

後遺障害の認定機関においては、整形外科等の病院での通院と医師の診察を重要な要素として後遺障害の判断に使っています。

むちうち等の当人以外には痛みがわからない症状で後遺障害の認定を受けるためには、医師の判断の下、半年以上、適切な頻度で整形外科での通院を継続していることがほぼ必須の条件となります。

接骨院・整骨院での治療は、交通事故の怪我を治すために有効なことが多いですが、後遺障害の認定機関においては整形外科の通院と比べほとんど認定を有利にする要素とはなりません。

ですので、接骨院・整骨院でしっかり身体を治療しつつも、後遺障害の認定を受けたいと考える場合には、少なくとも週に1回から10日に1回程度整形外科への通院を併用しておかなければなりません。

次回も引き続き、後遺障害の認定において重視される要素についてお話させていただきます。

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