交通事故に遭った!まず何をする?その3

ゴールデンウィークはあんなに暑くてぐったりしたのに、最近の東京は雨で寒い日が多いですね。

皆様寒暖差で体調を崩したりしていないでしょうか?

今回は、交通事故に遭ったらまずどう動くべきかの第三弾として、病院での症状の伝え方についてお話しします。

これは、法律とはまったく関係のない話に思えますが、交通事故案件の解決と病院での治療は切っても切れない関係にあり、適切な治療を受けられないと怪我が治らないだけでなく最終的な賠償額にも影響してくる可能性があります。

そして、適切な治療を受けるには、病院で自身の症状を医師にどう伝えるかが非常に重要となるのです。

1.病院では、痛いところをすべて伝えること
初診時にとりあえずここだけと、一番痛いところだけ伝えるのはNGです。

なぜなら、医師からすれば患者さんから痛いと言われていないところは「痛くないところ」と認識されてしまうからです。

そして、その伝えていない部位の痛みが後から非常に強くなったとしても、「初診時には痛みを訴えていなかったのに後から痛いと言ってきたということは、事故とその痛みは無関係の可能性がある。」として、その部位につき相手方任意保険から治療費が支払われない可能性があります。

もし初診時に動揺して伝え忘れた部位があった場合、できれば事故から2週間以内に再度受診して痛いところをしっかり伝えてください。


2.医師の質問に対しては、端的に答えること
 医師から「どこが痛いですか?」と尋ねられたら、「首と腰と右肩が痛いです。」のように、質問には端的に答えた方が良いです。
 中には「どこが痛いですか?」と聞かれているのに、「何年前にどこどこを怪我して、今回の交通事故でこんな風にぶつけたのか、最初は痛くなかったけど、2日後くらいからだんだん気になりだして…」と言った感じで身の上話を始めてしまう方がいらっしゃいます。
 特に整形外科は患者さんの人数も多く、対応する医師の方も忙しいので、そういう人に対してはハイハイと話をあしらわれてしまい、結果として自身の症状を伝えられないままになってしまうことが多いようです。

そうならないためにも、受診前に最低限話すべきメモを作っておくと良いです。

例えば、

・いつの事故か

・どのような事故か(自動車に乗車中とか、歩行中など。相手が一時停止しなかった…など、詳しい事故状況は不要です。)

・痛い所はどこか(少しでも痛いところはすべてピックアップしてください。)

だけでもメモしておけば、少なくとも初診時に伝えるべき内容は医師に伝えられます。


3.いつも痛いところについては、きちんと「いつも痛い」と伝えておくこと
 カルテの記載は簡単なものになるので、きちんと毎回痛いと伝えておかないと、誤解されて治ったと記載されることがあります。

また、痛みを伝える際、いつも痛いが朝起き上がる際は特に痛いという意味で、「朝起き上がるときにすごく痛くて…。」などと伝えると、医師としては「普段は痛くないが、朝起き上がるときだけは痛い。」と、全く違う意味に捉えられる可能性が非常に高いので、いつも痛い場合は必ず言葉を省略せず、いつも痛いことをきちんと伝えましょう。
 

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交通事故に遭った!まず何をする?その2

東京は桜もすっかり散り、最近は暖かいを通り越して暑いと感じる日も多くなってきましたね。
最近は気候が良いので土日に自転車に乗って少し遠出をすることもあるのですが、以前のブログで触れたように自転車に乗車する際はヘルメットの着用が努力義務化されたため、帽子にも見えるおしゃれな自転車用ヘルメットを購入しました。
実は、司法修習中にもサイクリングを楽しもうと思い、割と本格的は自転車用のヘルメットを購入して使用していたのですが、最近は使う機会もないかなと思って一年ほど前に手放してしまっていました。
ヘルメットの着用が義務化されると知ったとき、それなら手放さなかったのに…と残念に思ったのですが、古いものは経年劣化もあったでしょうし、おしゃれな帽子風ヘルメットも手に入ったので、結果としてはよしとしています(本当はやっぱりちょっと悔しい…)。

さて、前回のブログで、交通事故に遭ったらどうするかをお話ししました。
今回は、その続きとして、交通事故による怪我で病院に行く際のお話をします。
まず大前提として、交通事故で怪我をしたら、なるべくすぐ、できれば当日中に病院へ行ってください。
頭部などを負傷していた場合、気付かないうちに脳内出血が広がって命に係わる事態となることもありますが、すぐに受診し検査を行うことで、そのような可能性を少しでも減らすことができます。
また、今繁忙期だから仕事を休みたくないと考えたり、痛いから家でちょっと休んで体調が良くなってから行こうなどと考えたりする方が実は多いのですが、このような行動は後から自身に不利な誤解を招く恐れがあります。
例えば、治療費を支払う立場である相手方の任意保険会社から、「事故後すぐに病院に行っていないということは、症状がそこまでひどくないか、もしくは症状がほとんどなかったに違いない。」と勘違いされた結果、治療費の支払いが不当に短い期間で打ち切られてしまう可能性があります。
さらに、交通事故から初回の受診までの期間が空きすぎてしまうと、交通事故の後に別の要因で怪我をした可能性を排除できないとして、事故と怪我との因果関係が否定され、治療費の支払い自体が拒否されてしまう可能性もあります。
これらのことから、交通事故後に少しでも体のどこかが痛いなどの症状があるならば、必ずすぐに病院を受診してください。
次回は、病院でどのように症状を伝えるべきかについてお話しします。

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交通事故に遭った!まず何をする?

弁護士の田中です。
最近の東京は3月だというのに暑すぎじゃないでしょうか?
ついこの間までコートを着ていたというのに、最近ではシャツ一枚でもいいのではと思うほどの陽気ですね。
先日、家族の行事ごとで大きな紅白餅を食べる機会があり(大変大きいので食べきれず一部はまだ冷凍してあるくらいの大きさなのです!)、餅好きの私は毎日ウッキウキなのですが、暖かくなってきたことで家族は焼いた餅を食べる気分ではなくなってしまったそうで、最近はひとりで餅をせっせと焼いて美味しくいただいています。
つきたてで冷凍したので、焼くとスーパーで売っている普通の切り餅とは比べ物にならないほど柔らかく伸びて、それはそれは美味しいです!

ところで、この春高校を卒業して、自動車の免許を取る方も多いと思います。
どれだけ気を付けていても、運が悪ければ巻き込まれてしまうのが交通事故ですので、ここで交通事故にあったらまずその日のうちに何をすべきか、最低限のポイントだけまとめたいと思います。

①移動が可能であれば、路肩など安全な場所に移動
道路上にいるままだと、第二、第三の事故を招きかねないためです。
②警察へ事故の連絡
「大した事故じゃないし…。」などといって警察に連絡しないままにしていると、その後任意保険が使えない事態になりかねないですし、そもそも事故の報告は道路交通法72条1項後段に定められた車両運転者の義務です。
③自分や相手、巻き込まれた方などが怪我をしていれば救急車を呼ぶ
負傷者の救護は、道路交通法72条1項前段に定められた義務です。
④相手方の氏名や連絡先の確認
任意保険会社へ連絡する際にかならず聞かれますし、もし相手方が無保険の場合は今後相手方と直接やり取りすることになりますので、必ず必要です。
念のため、氏名は漢字込みのフルネームで確認し、電話番号はその場で一度鳴らして確認できるとよりよいです。
ちなみに、のちに弁護士へご相談しようと思っている場合にも、利益相反の確認などで相手方の名前は必須となります。
⑤任意保険会社へ事故の連絡
事故により怪我をして病院を受診する場合、任意保険会社と連絡がついていれば事故当日の受診でも治療費を負担してくれる場合もありますので、治療費の立て替えなどをしなくてすみます。
⑥(怪我をしたが③で救急車を呼ぶほどではなかった場合)病院を受診
事故直後は興奮状態で痛みをそこまで感じないということもありますので、少しでも痛みを感じたら受診し、レントゲン撮影など検査を行いましょう。
忙しいからなどといって放っておいた場合、後から痛くなっても事故との因果関係を否定される可能性があるので注意が必要です。

次回は、事故の当日以降何をすべきかを取り上げます。

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