交通事故の損害賠償について~その11

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その11」として、「給与所得者の休業損害」についてお話をさせていただきます。

会社員などの給与所得者の方が、交通事故による怪我の通院のために仕事を欠勤した場合や有休を使用した場合には、その休業をした分について休業損害を請求することができます。

休業損害を請求する際には、事故前年度の源泉徴収票および勤務先に記載をしてもらった休業損害証明書を提出する必要があります。

休業損害については、休業をしたら当然に補償されるわけではなく、事故の大きさや怪我の程度・症状等を踏まえて、休業する必要性・相当性があったのかというのが支払いを受ける上でのポイントになることに注意してください。

例えば、入院等で一切仕事ができないような場合には長期にわたって休業損害が支払われる可能性が高いといえますが、小さい事故で軽いむちうちになったような件では長期間に及ぶ休業の補償はされないこともあり得ます。

もっとも、無理に仕事に出てさらなる怪我をしてしまってはいけませんので、お身体のことを一番に調整するようにしてください。

次回は、交通事故の損害賠償における「個人事業主の休業損害」についてお話させていただきたいと思います。

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交通事故の損害賠償について~その10

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その10」として、「後見等関係費用」についてお話をさせていただきます。

後見関係費用が問題になるのは、交通事故の被害者が高次脳機能障害などで自ら有効な意思表示ができなくなってしまい、法律上有効な意思表示を行うために成年後見の申立てを行った場合です。

高次脳機能障害については、その症状の重さや程度はケースによって様々ですが、重篤なものだと寝たきり状態になってしまったり、記憶が亡くなってしまったりするようなものがあり、このような状態では法律上有効な意思表示をすることができないため、被害者本人に代わって責任をもって意思表示を行うことのできる成年後見人をつける必要があります。

成年後見の申立ては裁判所に対して申立てのための費用を払って申立てを行わなければならず、家族が成年後見人に着任するケースを除いては、後見人に対する報酬の支払いが必要になります。

そのため、重篤な高次脳機能障害の後遺障害が認定されたような場合には、被害者本人またはその家族において、後見に関係する様々な費用を負担することになるため、この費用を相手方保険会社に対して賠償請求することが可能です。

次回は、交通事故の損害賠償における「給与所得者の休業損害」についてお話させていただきたいと思います。

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交通事故の損害賠償について~その9

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その9」として、「自宅改造費」についてお話をさせていただきます。

まず前提として、自宅改造費が問題となるのは、基本的に相当に重い後遺障害が残ったような場合に限られます。

例えば、交通事故によって足が動かなくなってしまって、車イスでの生活を余儀なくされた場合や身体が麻痺してしまい自分で階段の上り下りをしたり浴室で身体を洗ったりトイレで排泄をしたりなどが自由にできなくなってしまったような場合に問題になる賠償項目です。

上述した例に挙げたような重い後遺障害が残ってしまったことにより、今まで通りの自宅では生活ができなくなってしまったような場合には、その症状に応じて自宅を改造し、住めるようにするために必要かつ相当な費用は相手方保険会社に対して賠償を求めていくことができます。

もっとも、自宅改造費については金額が大きくなりがちであるため、相手方保険会社においてすんなりと賠償が認められることは必ずしも多くありません。

そのため、どのような症状が残ってそのためにどうして自宅の改造が必要であるのかを丁寧に証明していく必要があるでしょう。

次回は、交通事故の損害賠償における「後見等関係費用」についてお話させていただきたいと思います。

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