交通事故で怪我をしたときに注意すべきポイント(後遺障害慰謝料)

「1月は往ぬ、2月は逃げる、3月は去る」などと言いますが、この間お正月だったと思ったのにもう3月になってしまいました。
春分の日を過ぎても東京は寒い日が多いですが、暦の上では3月はもう春ですので、これから少しずつ暖かくなってくるのが楽しみです。

前回は、「弁護士基準と自賠責基準の違い」という話から少し横道に逸れて、むちうちで他覚所見がある場合とない場合の違いということについてお話しさせていただきました。
今回は、話を戻して、弁護士基準と自賠責基準で基準が大きく違う項目の二つ目の「後遺障害慰謝料」のお話をさせていただきます。

自賠責基準の場合、例えば14級が認定された場合は後遺障害慰謝料として32万円、12級が認定された場合は93万円が支払われます。
一方で弁護士基準の場合、14級が認定されたときの後遺障害慰謝料は110万円、12級が認定された場合は290万円となり、自賠責基準と弁護士基準を比較すると3倍近い差があることになります。
自賠責保険はあくまで最低限の保障でしかないので、本来受け取るべき金額とは大きく差があることになります。
なお、この弁護士基準の金額はあくまで基本の金額なので、増額事由によってはこれより高い金額となることもあります。
裁判例による増額事由の一例としては、加害者が故意に事故を起こした場合や、無免許運転やひき逃げ、飲酒運転など、加害者に重過失がある場合、事故後に事故の証拠を隠滅したり、虚偽の供述や不合理な主張をして事故の責任を争ったりした場合などがあります。
さらに、被害者が植物状態や寝たきりなど重度の後遺障害を負い、近親者が被害者の死亡に比肩するような精神的苦痛を受けた場合は、被害者本人だけでなく、近親者も後遺障害慰謝料を請求することができます。