交通事故の損害賠償について~その9

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その9」として、「自宅改造費」についてお話をさせていただきます。

まず前提として、自宅改造費が問題となるのは、基本的に相当に重い後遺障害が残ったような場合に限られます。

例えば、交通事故によって足が動かなくなってしまって、車イスでの生活を余儀なくされた場合や身体が麻痺してしまい自分で階段の上り下りをしたり浴室で身体を洗ったりトイレで排泄をしたりなどが自由にできなくなってしまったような場合に問題になる賠償項目です。

上述した例に挙げたような重い後遺障害が残ってしまったことにより、今まで通りの自宅では生活ができなくなってしまったような場合には、その症状に応じて自宅を改造し、住めるようにするために必要かつ相当な費用は相手方保険会社に対して賠償を求めていくことができます。

もっとも、自宅改造費については金額が大きくなりがちであるため、相手方保険会社においてすんなりと賠償が認められることは必ずしも多くありません。

そのため、どのような症状が残ってそのためにどうして自宅の改造が必要であるのかを丁寧に証明していく必要があるでしょう。

次回は、交通事故の損害賠償における「後見等関係費用」についてお話させていただきたいと思います。