弁護士の田中浩登です。
今回は「交通事故の損害賠償について~その21」として、「後遺障害逸失利益(失業者)」についてお話をさせていただきます。
後遺障害逸失利益については、将来の仕事における後遺障害の影響により収入が減ってしまうであろうことに対する補償であるため、原則的には、無職の方については後遺障害逸失利益を認めることはできません。
もっとも休業損害について説明したのと同様に、事故当時偶然無職ではあったものの、労働能力と労働意欲があり、かつ就業の蓋然性がある場合には、今後の収入への影響については生じうると考えられるので、例外的に後遺障害逸失利益が認められることになります。
基本的には再就職によって、得られるであろう収入を基礎とすることになるので、特段の事情がなければ失業前の年収が参考にされるべき収入ということになります。
ただし、失業以前の収入が平均賃金以下の場合には、再就職によって平均賃金程度の収入が得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎収入として後遺障害逸失利益を求めることも考えられます。
次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(外貌醜状)」についてお話させていただきたいと思います。


