交通事故の損害賠償について~その20

弁護士の田中浩登です。

今回は「交通事故の損害賠償について~その20」として、「後遺障害逸失利益(年少者)」についてお話をさせていただきます。

未成年などの年少者が交通事故の被害に遭ってしまって後遺障害が残ってしまった場合、まだ就業はしていなくても、将来の仕事における収入が減少する蓋然性があるため、後遺障害逸失利益を請求することができます。

まだ就職をしていない年少者の基礎収入については、基本的に全年齢平均を使うのが原則です。

なぜなら、後遺障害は一生残存するものであるため、若年時の低い年収を基礎として少ない後遺障害逸失利益を算出するのは、損害を過小に見積もることになるためです。

逆に、年少者の将来の損害を予測することは困難ではあるものの、その年少者の能力や成績などの個別事情からさらに高額の基礎収入を主張することも考えられるところです。

また、女子年少者の後遺障害逸失利益については、昨今の男女の賃金格差の是正の傾向を踏まえ、女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、それよりも高い金額となる男女を含む全労働者の全年齢平均賃金をもとに算出するのが一般的となっています。

次回は、交通事故の損害賠償における「後遺障害逸失利益(失業者)」についてお話させていただきたいと思います。