池袋で『交通事故』に強い弁護士

交通事故被害相談@池袋

交通事故で怪我をしてしまい病院へ通院していますが、転院に関して注意点はありますか?

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2021年3月5日

1 転院のデメリット

交通事故で怪我をした場合、定期的に病院へ通院することになりますが、病院の雰囲気が感じ悪い、医師とそりが合わず診察が苦痛、診断内容が納得できないなどの理由で、転院を検討されている方もいらっしゃると思います。

まず一般論として、治療期間中に何回も病院を転院することはあまり望ましくはありません。

何度も短期間で転院すると、治療経過を継続して診ている医師がいないため、治療の効果を見極めることが難しくなります。

その結果、不当に短い期間で治療の終了を迫られたり、後遺障害診断書の作成を医師に拒否されたりといったおそれがあります。

また、転院の理由によっては、「自分に都合のよい診断をしてくれる医師を探して転院しているのではないか。」と見られ、相手方保険会社との交渉時や後遺障害認定、裁判時に心証が悪くなるおそれもあります。

もっとも、正当な理由があり、転院の回数が常識の範囲内であれば、上記のような不利益は少ないと考えられます。

行きたくない病院に我慢して通い続けるのは大変ストレスのかかることですので、どうしても無理だと思ったら転院することもやむを得ないでしょう。

ただし、繰り返しにはなりますが、何度も転院することはできる限り控えたほうがよいと思います。

2 転院するなら早い段階で

病院を転院する場合は、なるべく早い段階で転院することをお勧めします。

なぜなら、治療が終盤に差し掛かった頃に転院しようとすると、相手方保険会社から「ちょうどいいタイミングだからそろそろ治療を終わりにしましょう。」などと言われ、不本意なタイミングで治療を終了とされる可能性が経験則上非常に高いからです。

また、事故から長期間たって転院した場合、転院後の病院が「事故直後の症状を診ていないので経過について判断できない」といった理由で後遺障害診断書の作成を拒否してくることもあります。

このようなリスクを避けるためにも、もし転院したいと思っているなら、事故からなるべく早いタイミングで行うことをおすすめします。

3 転院時の手続き

転院時は、新しい病院に黙って行くのではなく、医師に転院することを伝えて紹介状を書いてもらってから行くことをお勧めします。

そうでないと、転院前の状況や検査内容が新しい病院で把握できなくなってしまうからです。

転院の理由を正直に話すかについてですが、もう通わないからと医師に対し感情を逆なでするようなことを言って喧嘩になることは絶対に避けてください。

ほとんどの病院では、わざわざ転院理由を患者さんに聞くことはないと思いますので、こちらから積極的に理由は言わず、医師へ「転院したいので診療情報提供書を書いていただけますか。」とだけおっしゃっていただければよいと思います。

それでも理由を聞かれた際には、「ちょっと都合がありまして。」程度に濁しておくのがよいかと思います。

また、相手方が任意保険に加入している場合は、相手方保険会社の担当者へ事前に転院する旨と転院予定の病院について連絡を入れてください。

転院の連絡をしていなかったり、転院する当日などぎりぎりになって連絡したりといった場合、手続きが間に合わず治療費をご自身で一時的に立て替えなければならない可能性がありますので注意が必要です。

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