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弁護士法人心 池袋法律事務所

ダウン症で障害年金を請求する場合のポイント

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2024年2月8日

1 ダウン症の障害年金申請

ダウン症の方も障害年金の受給が認められる場合があります。

他の障害年金と異なるところ等もありますが、障害年金受給の要件ごとに順番にご説明いたします。

2 初診日の特定

障害年金申請の最初の問題として、「初診日の特定ができない」というケースがあります。

障害年金申請する傷病に関して初めて医療機関を受診した日が初診日となりますが、何十年も同じ病気等で通院を続けており、何度も転院を繰り返していると、初診の病院の医療記録が残っていない等の理由で、初診日の特定が困難になってしまうことがあります。

しかし、ダウン症は先天性疾患であることから、出生日をもって初診日と取り扱うという運用がなされています。

このため、ダウン症での障害年金申請にあたっては、初診日の特定に悩む必要が基本的になくなります。

3 保険料の納付

障害年金申請は、原則として保険料の納付を前提としていますが、先天性疾患等、20歳前に初診日がある場合、そもそも保険料の納付義務が課されていないため、この要件は問題とされません。

他方、保険料を納めることなく年金を受給できることから、一定以上の収入がある場合には、受給額が減額されたり、受給できなくなるという制限がかかりますのでご注意ください。

4 障害認定日と障害状態

障害認定日というのは、障害状態を判断する基準日で、一部の傷病を除いて通常は初診日から1年6か月時点とされています。

しかし、初診日が出生日とされるダウン症の場合、20歳の誕生日の前日をもって障害認定日とされることになります。

障害認定日時点の症状から障害年金受給の状態にあると判断された場合には、後日「遡及請求」といって、過去受給することができたであろう障害年金についても、遡って受給を求めることができます。

そのため、ダウン症での障害年金受給についてお考えの方は、20歳当時(誕生日前後3か月程度)頃の症状に関して、診断書等の作成が可能かどうかを医療機関等にご確認いただくとよいです。

ダウン症については、心臓、目、耳等についての症状が出ることもあるようです。

障害年金は、障害の状態を評価するものとなっているため、例えば難聴等の症状に対しては聴力の障害として申請することになります。

ダウン症については、知的障害を併発することが多く、知的障害に準じて審査されていることが多いようです。

知的障害の場合は、バランスのとれた食事や清潔清掃、コミュニケーション等を総合判断して障害等級の審査が行われます。

保険料の納付を要しない20歳前障害基礎年金については1級ないし2級に該当する場合に受給が認められます。

日常生活状況のご不便等は、月数回~数か月に1回程度の診察だけでは診断書を作成する医師にも伝わり切っていないことが多いため、事前にしっかり伝え、評価していただくことが大切となってきます。

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