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弁護士法人心 池袋法律事務所

清算価値保障とは

  • 文責:所長 弁護士 田中浩登
  • 最終更新日:2023年12月18日

1 個人再生では清算価値以上の金額を弁済する必要がある

個人再生手続きには清算価値保障原則というものがあります。

まず、清算価値とは、その人が保有している財産のことで、仮にその人が破産したときに手放すことになる財産の金額ということもできます。

清算価値保障原則とは、個人再生した場合に少なくとも清算価値以上の金額を弁済しなければならないとする原則です。

一般に個人再生手続きは借金が5分の1まで減る、といった説明がされることが多いですが、それ以上に清算価値がある方の場合だと、返済することになる金額は清算価値がベースになります。

2 なぜ清算価値保障原則があるのか

個人再生は財産を手放すことなく、借金の額だけを大幅に減額することを認めるという債務者にとって非常に有利な手続きです。

裏を返せば、債権者としては嬉しくない手続きということになりますが、それでも自己破産されてしまうよりは、ある程度返済してもらえる以上これを受け入れるメリットもあるわけです。

しかし、清算価値保障原則がなくなってしまうと自己破産してもらった方が得だという状態が生じるケースがあります。

なぜなら、先述のとおり清算価値とは自己破産した場合に手放すことになる財産の金額なので、債権者としては自己破産してもらえば清算価値分の返済は受けられることになる以上、これを下回る金額しか返済されないのでは自己破産してもらった方が良いということになるからです。

このような理由から、個人再生には清算価値保障原則があるのです。

3 清算価値の注意点

個人再生する状況にある以上、清算価値があることなどないのではないか、と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

例えば、生命保険に加入されている場合、保険の解約返戻金は清算価値に計上される財産です。

勤務先の退職金がある場合、すぐに辞める予定がない場合でも退職金の8分の1は清算価値に計上されます。

相続などで不動産の持分を有している場合も、不動産の価値に応じた清算価値があることになります。

このように、日常あまり気づかない形で財産を保有していることもありますので、個人再生する上で清算価値はよく検討しなければならないといえます。

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